抄録
カスケード故障はネットワークにおける脅威として,様々な事象を対象に研究が行われている.本研究では,商品の同時購買ネットワークにカスケード故障モデルを適用することにより,商品の売り切れがもたらす消費者の購買欲求の遷移を表現するモデルを提案し,その有用性を検証する.具体的には,売り切れ前のネットワークからある商品が売り切れた後のネットワークを再構築し,ネットワーク上での物流量を表す媒介中心性によって購買欲求の遷移を表現する.このとき,新たに遷移の影響を受ける商品の特徴を考察することで売り切れ商品との関係性を分類することができる.また,遷移の影響を受ける商品が実際に売り切れるかどうかについても検証を行う.