抄録
粉末CaCrO4の脱水挙動が,AE法とTG-DTA-MS法によって追跡された。TG-DTA-MS測定の結果から,試料に含まれる水は20-145(I),145-230(II),230-420(III)と420-620℃(IV)の4段階にわたって脱離することが分かった。AE信号は220-400,400-620,700-900℃の3つの温度範囲で発生し,前者2範囲はTG-DTA-MS測定におけるIIIおよびIV段階に相当している。700℃まで加熱した試料のSEM観察により,IV段階目のAEを発生させると考えられる粒子の微細化が確認された。400℃まで加熱しても粒子の割れは認められなかった。CaCrO4の局所的な分解がおよそ700℃から起こり始め,このことは小さなAE発生,僅かな重量減少とESR測定で検出された低い原子価のCrイオンと関連している。