抄録
落下型熱量計を用いた熱量測定は,1000Kを越えるような高温度域での熱容量,熱含量,相変化熱などの決定法として有効であるが,高温ゆえに実験技術上の問題点も多い。精度よく高温熱含量を測定するために落下型熱量計の加熱炉,温度測定,熱量計,試料系に対しては,様々な工夫や注意を払った設計が試みられており,それらを紹介した。次いで,Shomate関数やQLLR法などの熱含量からの熱容量の導出方法について述べた。また,熱含量測定の応用例として熱力学解析法による合金の熱力学量の導出方法などについて記述した。