熱測定
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29 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 白神 達也, 山田 暁子, 谷藤 綾子, 浦部 和順, 薮田 和哉
    2002 年29 巻4 号 p. 146-151
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    CaO添加量を変えた6種類の都市ごみスラグの示差熱分析を,昇温速度をさまざまに変えて行った。CaO量の少ない四つの試料ではガラス転移と二つの結晶化による発熱ピークが見られたが,結晶化のピークは昇温速度が遅くなるにつれて重なって観測された。一方,CaO量の多い二つの試料では結晶化のピークは一つだけ見られた。結晶化の活性化エネルギーを見積もるために,DTAの微分曲線の最初のピーク温度を利用した修正Kissinger式の定式化を行った。求めた活性化エネルギーは塩基度の増加とともに低くなる傾向が見られた。十分に結晶化させた試料の結晶相の同定を粉末X線回折で行った。CaO量の少ない四つの試料ではシュードワラストナイト,アノーサイト,アルバイトが主要相であったのに対し,CaO量の多い二つの試料はほとんどゲーレナイト単相からなっていた。その挙動はシリカ-アルミナ-カルシア三元系平衡相図から予想されるものである。CaO量の少ない四つの試料を部分的に結晶化させたものの解析から,CaO量のより少ない二つの試料の初晶はシュードワラストナイトであったのに対し,より多い二つの試料の初晶はゲーレナイトであった。
  • アルカリ金属塩化物とコランダムの熱容量の解析
    松尾 隆祐, 田中 伸樹, 山室 修, 稲葉 章
    2002 年29 巻4 号 p. 152-162
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    LiCl,NaCl,KCl,RbCl,CsClおよびAl2O3(コランダム)について熱容量Cpのデータを最小二乗法にもとづく方法によって解析し,定積熱容量を推定した。この解析法は格子振動スペクトルの大勢を中低温領域で決め,高温領域において調和振動子熱容量を超える部分から熱容量差を決定するものである。また熱膨張係数とスティッフネスの文献データを用いて,定圧熱容量と定積熱容量の差を計算した。300Kまでの範囲で,NaCl,KCl,RbClについて計算値はCpの解析による値と約10%の範囲に一致したが,LiClとCsClについては熱膨張係数とスティッフネスにもとづく値の方が20~30%大きい結果が得られた。コランダムについては900Kまでのデータを用いて,Cpからの値が約25%だけ大きいことを見出した。またコランダムの熱容量データの解析から高温領域(1800~2250K)の値について得られる知見を論じた。
  • 八田 一郎
    2002 年29 巻4 号 p. 163-172
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    相転移現象の研究において,熱容量測定は有力な手段である。一つは如何なる相転移においても熱容量異常は現れることであり,もう一つは熱容量測定からギブス自由エネルギーを求めることができるからである。相転移は二つに分類される。連続転移と不連続転移である。前者はいわゆる2次転移を含むものであって,後者は従来のいわゆる1次転移と慣習的に呼ばれている。平均場近似の枠内では連続転移で熱容量がとびを示すが,より高い近似あるいは厳密解では熱容量異常は単純なとびではない。現実の場合は,後者がほとんどである。この場合,臨界指数およびスケーリング則が相転移現象を理解するのに有効である。測定される量としては,臨界振幅もある。これは相転移を特徴付ける有効なパラメーターであるが,これまではあまり着目されていない。不連続転移では潜熱が現れるが,この相転移は平衡熱力学よりはむしろ非平衡熱力学の観点より解析されるべきである。このような立場から熱容量スペクトロスコピーは有用な測定法である。
  • 山口 勉功, 板垣 乙未生
    2002 年29 巻4 号 p. 173-180
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    落下型熱量計を用いた熱量測定は,1000Kを越えるような高温度域での熱容量,熱含量,相変化熱などの決定法として有効であるが,高温ゆえに実験技術上の問題点も多い。精度よく高温熱含量を測定するために落下型熱量計の加熱炉,温度測定,熱量計,試料系に対しては,様々な工夫や注意を払った設計が試みられており,それらを紹介した。次いで,Shomate関数やQLLR法などの熱含量からの熱容量の導出方法について述べた。また,熱含量測定の応用例として熱力学解析法による合金の熱力学量の導出方法などについて記述した。
  • 2002 年29 巻4 号 p. 180
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 山本 悟
    2002 年29 巻4 号 p. 183
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 高彰, 千葉 明夫
    2002 年29 巻4 号 p. 184-185
    発行日: 2002/09/10
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
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