最も一般的な液体であり多くの物理科学的な多様性を示す。その多様性の発現機構の源である水素結合のネットワークの構造変化とそれが引き起す化学反応の機構を探る。そのような「水の多様な特性の発現機構」に関係する次の三つの課題;(1)水の中の水素結合ネットワークの構造変化の特性,特にその長時間変化の様相と,またネットワーク構造変化伴う水の中の集団運動・揺らぎを観測するための新しい実験法について,(2)水の氷化の分子論的機構(水は如何にして結晶に凍るのか?)について,また(3)水や氷中のプロトン移動の機構について,の最近の研究について述べる。