熱測定
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遷移金属酸化物の熱起電力
強相関電子系の熱力学
寺崎 一郎
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2004 年 31 巻 4 号 p. 164-171

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抄録
強相関電子系とは,電子間の強いクーロン斥力のために一電子描像が破綻した固体のことである。そのため,バンド計算の予測を凌駕する機能が発現する可能性があり,様々な分野で精力的な研究が行われている。最近,ある種の遷移金属酸化物(典型的な強相関電子系)が良い熱電変換材料であることが報じられ,強相関電子系の熱電効果が注目されている。本稿では,熱起電力から見た遷移金属酸化物の熱力学的特徴について平易な解説を試みる。また,いくつかの遷移金属酸化物の熱電効果の実験結果と解析を紹介する。
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