2022 年 27 巻 p. 284-293
2021年に発表された第6次エネルギー基本計画において洋上風力への期待が高まり,2030年及び2040年には10GWおよび30-45GWの設備容量が目標に設定された.この設備容量は2020年末時点での我が国の風力発電の全設備容量が約4.2GWであることからも,急速な設備導入が必要となる事が判る. また洋上風力発電は欧州を中心に30年を超える期間で技術的および社会的な進化の末に現在のコストレベルを達成しているのに対して,我が国では2030~35年までに8~9円/kWhの達成目標を掲げた. 本研究ではこれらを同時に達成するための課題のひとつである風車建設のロジスティクスを研究対象として,気象・海象の影響に関して検討を加えた.