2014 年 18 巻 1 号 p. 25-28
心室頻拍(VT)を頻発する狭心症に対し緊急冠動脈バイパスならびに僧帽弁形成術を施行された症例の麻酔を経験した。アミオダロンを投与中であったが,人工心肺(CPB)離脱中に再度 VT となった。頻回の電気的除細動を行ったが回復せず,難治性心室頻拍(VT ストーム)となり,CPB 離脱困難となった。ニフェカラントの投与により,一時的に心静止しその後洞調律に復帰した。心房ペーシングを行い,安定した循環動態を得たのち CPB を離脱し手術を終了した。ニフェカラント投与後は心室頻拍の再発を認めなかった。アミオダロンならびに電気的除細動に治療抵抗性の VT ストームにニフェカラントは有効であると考えられた。