Cardiovascular Anesthesia
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症例報告
Kommerell 憩室を有する患者 10 名の胸部大動脈置換術の麻酔経験
高橋 京助佐藤 奈々子加藤 剛杉浦 孝広鎌田 高彰森 庸介
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2014 年 18 巻 1 号 p. 35-40

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抄録

 Kommerell 憩室は鎖骨下動脈起始部に発生した囊状瘤であり,まれな疾患である。当院では 6 年間で 10 名の Kommerell 憩室を有する患者の胸部大動脈置換術を行ったが,そのうち 1 例で,二腔チューブと経食道心臓超音波プローベの挿入困難を経験した。Kommerell 憩室を有する患者は,大動脈瘤のみならず大動脈の走行が通常と異なる場合がある。その麻酔管理においては,術中の血行動態に配慮した動脈圧のモニタリングを行うことが必要になる。また,瘤や大動脈の走行異常による気管や食道への圧迫を考慮する必要があり,画像を含めた術前評価を行うことが重要である。

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© 2014 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
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