2014 年 18 巻 1 号 p. 17-20
ヘパリン起因性血小板減少症 2 型(HIT type II)はヘパリンの重大な副作用であり,HIT 抗体陽性患者へのヘパリンの投与は禁忌であるが,抗体陰性化後はヘパリンを使用しても必ずしも HIT を再発しない。しかしヘパリン再投与による HIT 再発のリスクは明らかでないため,人工心肺での使用を除いては他の抗凝固薬を使用することが推奨されている。今回,HIT type II 既往患者で,人工心肺中のみヘパリンを使用し安全に管理できた。人工心肺の使用中を除いては周術期にアルガトロバンを使用した。