2017 年 21 巻 1 号 p. 43-46
当院における先天性大動脈弁狭窄症(AS)に対する経皮的大動脈弁形成術(BVP)の麻酔管理を報告する。日齢2から生後1カ月の3症例でいずれも経胸壁心臓超音波検査(TTE)で圧較差(PG)は50 mmHg以上,心内膜線維化や心筋肥厚を伴う重症例であった。新生児・乳児のASに対するBVPの麻酔管理におけるポイントは,①循環変動が少ない麻酔薬での導入・維持,②適切な輸液負荷,③重症例では循環作動薬投与,④手技時の急激な血行動態の把握・評価,⑤施行直後の高血圧・頻脈の抑制,⑥術後早期の大動脈弁逆流(以下AR)の有無・心機能の評価である。