2020 年 24 巻 1 号 p. 153-159
デクスメデトミジン(Dexmedetomidine : DEX)による完全房室ブロックが疑われた患者に対し,DEX投与下で心臓電気生理学的検査を行い,洞機能および房室伝導の評価を行った。DEXは用量依存性に洞結節・房室結節に抑制効果を示し,A-H時間を延長させる可能性がある。本症例における完全房室ブロックの出現はDEX投与量に依存する洞機能および房室伝導の抑制的効果,フェンタニルなど他薬剤の相互作用および患者側要素の複合的な関与と考えた。DEX使用による房室ブロックの発生は術前心電図では予測困難であり,注意を要する薬剤の組み合わせも現在のところ不明である。DEX使用時に高度房室ブロックが生じた際には,DEXの中止やアトロピンの使用を考慮する必要がある。