比較眼科研究
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Ⅱ.各眼圧計の各動物種での比較試験結果
―イヌ―
大森 礼子久野 博司臼居 敏仁
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1993 年 12 巻 3-4 号 p. 3-4_35-3-4_40

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抄録

雄ビーグルの眼圧をキーラーパルゼア非接触式眼圧計、パーキンス手持式眼圧計MK-II、トノペンXL、およびアルコンPTGの4機器で測定し、各機器の適応性を比較した。特に、1) 各機器の使用の適否および特徴、2) 測定者による眼圧測定値の変動、3) 同一測定者の連日測定時の眼圧の変動、4) 齢の違いによる眼圧の変動、5) 機器間の相関性の5項目について検討した。

イヌの眼圧測定が可能な機器はトノペンXLおよびアルコンPTGであったが、動物室での測定に、より適しているのはトノペンXLであった。トノペンXLおよびアルコンPTG共に、測定者による眼圧測定値の変動は小さく、いずれも測定者間に有意差は認められなかった。しかし、トノペンXLで得られた同一測定者の連日測定時の値は、アルコンPTGより変動値(CV)が小さく、再現性において、より優れていることが示唆された。また、9、32および45ヶ月齢のイヌの眼圧についてトノペンXLを用いて検討したところ、各月齢間に有意差は認められなかった。トノペンXLとアルコンPTGで得られた値は、互いに高い相関性を示した。

以上の結果より、今回用いた4機器のうちイヌの眼圧測定に最も適しているとみられた機器はトノペンXLと結論付けた。

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© 1993 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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