比較眼科研究
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コモンマーモセット(Common Marmoset)およびカニクイザル(Cynomolgus Monkey)の網膜微細構造の比較
陳 竹君大嶋 陽子丸茂 留利子相内 聖峰
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1994 年 13 巻 3-4 号 p. 3-4_139-3-4_146

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抄録

成熟した6~8歳のCommon marmosetとCynomolgus monkeyそれぞれの網膜微細構造を比較検討した。両種霊長類網膜の層構成は脈絡膜側から色素上皮層,桿体錐体層,外境界層,外顆粒層,外網状層,内顆粒層,内網状層,神経節細胞層,視神経線維層および内境界層に分けられた。Common marmosetの各層をCynomolgus monkeyのそれと比較すると色素上皮細胞はより扁平であり,視細胞外節の貪食像に乏しかった。両種の視細胞内節の近位部の筋様部には約70nm間隔の横縞を有するアクチン細糸の束がみられ,Common marmosetではCynomolgus monkeyのそれと比較して,より幅広く長く,横縞間に少数の縞を伴い,内節のほぼ全長を縦走した。Cynomolgus monkeyではアクチン細糸は,内節の近位部のみにみられ,横縞間の縞は不明瞭であった。その他の構造は両種間で類似した。

これらの結果は両種の網膜の微細構造は相互に極めて類似していることを示している。

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© 1994 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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