本研究は、イヌ15頭とネコ5頭を用いて、20ジオプターの非球面レンズを用いた簡易隅角検査の有用性について、虹彩角膜角および前房の検査を行うための再評価をした。角膜輪部付近の外側角膜にレンズを接触させて観察した場合では、虹彩角膜角の全周の1/2以下の範囲で観察が可能であった。ほとんどの動物でこの操作を嫌うことはなかった。この簡易隅角検査は、異常な隅角はもとより虹彩の限局性病変、前房内フィブリン塊、水晶体の膨化を認めることができた。この方法は実際的に前房内の異常所見を評価できる検査法の一つであることがわかった。