2022 年 41 巻 p. 8-14
調節麻痺薬であるシクロペントラートとアトロピンの点眼は、他覚的視力検査や眼屈折度を測定するために用いられる。これら二剤について、健常ビーグル犬におけるこれらの調節麻痺作用を比較した。眼屈折度は検影法によって測定した。各点眼前後の眼屈折度の差を算出し、その差が最大となった各点眼前後の眼屈折度は、シクロペントラート群で0.85 ±0.49 D、アトロピン群で0.65 ± 0.28 Dであり、両群間に有意な差はみられなかった。効果が最大となる時間は、シクロペントラート群で1.52 ± 1.50時間、アトロピン群で、3.58 ± 2.75時間であり、アトロピン群はシクロペントラート群と比較し、有意に延長していた。眼屈折度が点眼前の値に戻った時間は、シクロペントラート群で12.00 ± 6.00時間、アトロピン群で、25.00 ± 14.90時間であり、アトロピン群で有意に延長していた。シクロペントラート点眼薬とアトロピン点眼薬を比較すると、健常ビーグル犬において眼屈折度の検査を行う場合、最大調節麻痺効果の出現が早く、調節麻痺効果の持続が短時間であるシクロペントラート点眼薬が推奨される。