2026 年 10 巻 3 号 p. e22-e32
本稿は、地図データを防災に活用する際に生じる著作権上の課題に対し、ハイパーレイヤリング技術が有効な解決策となり得ることを、2024年度デジタルアーカイブ学会DAセッションの議論を踏まえて検討するものである。ハイパーレイヤリングは、データを複製せずリンクで表示する技術であり、著作権法上の「複製」や「送信」に該当しないと整理されている。セッションでは、福井健策弁護士がリンク表示の合法性を明確に示し、目黒公郎教授らが実務的な意義を確認した。本稿ではこの法的整理だけでなく、倫理的検討を行うことを通じて、防災と公共性の観点から今後の地図データの防災活用を展望する。