2018 年 2 巻 2 号 p. 36-39
東日本大震災から3 日後の2011 年3 月14 日、NPO 法人映画保存協会は、株式会社東京光音、株式会社吉岡映像と三者合同で「災害対策部」を立ち上げた。主な活動は、自然災害により被災した動的映像資料の「防災に関する情報提供」「救済支援」「簡易洗浄」である。これまでに映画フィルム150 本以上、ビデオテープ200 本以上、光学ディスク100 枚以上を被災地の個人・団体から受け入れ、洗浄やデジタル化を行った経験がある。被災した動的映像資料を専門に扱う団体は、日本国内では災害対策部以外にみられない。本稿ではこれまでの経験を踏まえて、動的映像資料の中でも映画フィルム・ビデオテープ・光学ディスクを中心に、救済方法と災害対策について考察する。