デジタルアーカイブ学会誌
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2 巻 , 2 号
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巻頭言
第2回研究大会プログラム
第2回研究大会予稿
口頭発表
  • 長坂 俊成, 増田 和順
    2018 年 2 巻 2 号 p. 8-11
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    近年、スマートフォンの普及に伴いラジオ放送のWeb化が進みつつある。しかしながら、そこで流される著作音源の管理はレガシーなモデルを継承し、アーティストやクリエータをインキュベーションしプロモーションするプラットフォームへの転換を阻害している。さらにWeb 環境が個人やコミュニティの環境を構成する時代の中で、音声文化をコミュニティの中でシェアし二次加工するなど、より自由に享受する利用環境が未整備のままである。コミュニティFMラジオ放送もサイマル放送によりWeb化に対応しているものの、Webメディアとしてのローカリティとグローバリティを活かしきれず、また、地域の参加型市民メディアとしての役割も果たせずに圏域放送を矮小化したビジネスモデルの域を出ないか、または、過度に自治体に依存する傾向にある。そこで、本発表では、既存の放送メディアに依拠しない新たなWebラジオによる文化資産の利用とアーカイブを通じた社会デザインとソーシャルイノベーションの可能性について展望する。

  • 北村 美和子, 村尾 修, 柴山 明寛
    2018 年 2 巻 2 号 p. 12-15
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    東日本大震災後、国や地方自治体が災害デジタルアーカイブを構築したが、一方で、被災者が構築した小規模な災害デジタルアーカイブも点在している。本報告では、宮城県仙台市荒浜地区における被災者主体の災害デジタルアーカイブの取り組みについてまとめる。震災からの復興に関するコミュニティ活動やコミュニティアーカイブなどの被災者主体の活動は、シビックプライドの向上に効果的な役割を担っている。

  • 皆川 雅章
    2018 年 2 巻 2 号 p. 16-19
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    札幌学院大学学園創立70周年記念事業の一環として大学の歴史のデジタルアーカイブ化を行ない2017年4月から公開を始めた。当初対象とした資料は、卒業生寄贈による昭和20年代からの各種学内展示資料および刊行物等であり、その後も資料収集が行われている。このデジタルアーカイブ化を行う目的は、①遠方の卒業生が展示資料を見ることを容易にする、②学生が自学の歴史を身近に学ぶ機会をつくる、③刊行物のデジタル化を通じて学内資料の収集•整理を行い、数十年後に向けた歴史資料として保存する機会とする、である。地方大学の歩みの記録を次の世代に残していこうとする取り組みを報告する。

  • 石橋 豊之, 柊 和佑, 三河 正彦, 安藤 友晴
    2018 年 2 巻 2 号 p. 20-23
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では「地域の記憶」をアーカイブする際、市民の持っている情報を引き出し、蓄積するシステムの構築を目指し、稚内市において実験を行ってきた。実験では、引き出す際の「核」となる地域情報を用意し、それを閲覧した地域住民が単一のテーマについて会話をするようにした。その情報をオーラルヒストリーと位置付けて収集する実験を続けて行い、その「核」となるより良い地域情報の検討を進めており、新たな「核」として地域新聞とその記事に着目した。そこで、地域新聞に対応した地域新聞情報資源メタデータスキーマを検討し、地域での利活用を目指す。

    本発表では、本研究全体の概要を示した上で、地域情報として1983年稚内近郊で起きた『大韓航空機撃墜事件』に関する記事を分析したデータの解説を行い、本研究が目指す地域新聞情報資源メタデータについて、その意義とオーラルヒストリー収集システムへの応用方法について総合的に解説する。

  • 谷合 佳代子
    2018 年 2 巻 2 号 p. 24-27
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    梅崎修を研究代表とする労働史オーラルヒストリー研究チームは、エル・ライブラリーとの連携により、2011年度からオーラルの動画に反訳文字情報を加えたものを「労働史オーラルヒストリー・プロジェクト」として2015年12月よりエル・ライブラリーのWebサイトで公開している。これは近年増加しているオーラルヒストリーのデジタルアーカイブの事例であるが、そのコンテンツの一つである「辻保治コレクション」をめぐるオーラルが既知のものと異なる点は、①動画を無編集で公開している、②関連資料リストを作成し、エル・ライブラリーのOPACにリンクを張っている、③記録資料をめぐるオーラルである、という3点があげられる。また、アーカイブ機関と研究者との連携プロジェクトである点が、MALUI連携の事例として他機関の参考となるであろう。

  • 宮本 隆史, 片桐 由希子, 中村 覚
    2018 年 2 巻 2 号 p. 28-31
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本発表の目的は、東京文化資源会議の地域文化資源デジタルアーカイブ・プロジェクトの活動を事例として紹介し、地域に根づいた学術的・文化的活動の基盤となるウェブ上のシステムを構築・活用する方法を整理し課題と可能性を考察することにある。このプロジェクトでは、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を対象としたデジタルアーカイブの構築を実験的に行なっている [1]。

  • 金城 弥生, 井上 透
    2018 年 2 巻 2 号 p. 32-35
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    デジタル機器やインターネットの発達により、誰もがデジタルアーカイブを製作し発信する環境を持つことが可能となった今、技術継承者や職人、または継続が困難となりつつある地域芸能の担い手などが、自らの技術や技を記録することには大きな意義がある。この研究はデジタルアーキビストなど「第三者による」デジタルアーカイブ化ではなく、職人や技術者といった「技術継承の当事者による」デジタルアーカイブ化を目的としている。ここでは「竹筬(たけおさ)」という機道具の復元製作を例にあげ、口伝や伝承と共に、正しい情報を後世へ残すためのアーカイブ製作に関する課題や問題点を精査し、そのモデルケースとして報告する。

  • 鈴木 伸和, 中川 望
    2018 年 2 巻 2 号 p. 36-39
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    東日本大震災から3 日後の2011 年3 月14 日、NPO 法人映画保存協会は、株式会社東京光音、株式会社吉岡映像と三者合同で「災害対策部」を立ち上げた。主な活動は、自然災害により被災した動的映像資料の「防災に関する情報提供」「救済支援」「簡易洗浄」である。これまでに映画フィルム150 本以上、ビデオテープ200 本以上、光学ディスク100 枚以上を被災地の個人・団体から受け入れ、洗浄やデジタル化を行った経験がある。被災した動的映像資料を専門に扱う団体は、日本国内では災害対策部以外にみられない。本稿ではこれまでの経験を踏まえて、動的映像資料の中でも映画フィルム・ビデオテープ・光学ディスクを中心に、救済方法と災害対策について考察する。

  • 林 和弘
    2018 年 2 巻 2 号 p. 40-43
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    デジタルアーカイブの目的にはICT を活用して文化財等を保存することだけでなく、その利活用を促進することが含まれており、人文社会学系研究において、これまでになかった新しい研究スタイルと社会への波及効果を生み出し始めている。

    一方、オープンサイエンス政策は、科学技術系を中心に論文のオープンアクセス化から始まったが、現在では、研究データを中心とした幅広い研究成果をできる限り広く共有しイノベーションを加速する政策に拡張し、文理を問わない新しい研究パラダイムの構築を前提とした、研究活動の変容を志向している。

    今回世界のオープンサイエンス政策の現状とその実践の一つとして世界をリードする研究データ同盟(RDA)が取り組むデータ共有活動を紹介し、文化財を中心としたデジタルアーカイブに関する活動の接点を考察しながら、オープンサイエンス時代の科学技術・学術研究のスタイルを展望し、変容のキーとなる相互通用性のあるデータフォーマットの重要性を述べる。

  • 西川 開
    2018 年 2 巻 2 号 p. 44-47
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    公的助成金の減額や財政基盤の脆弱性を背景として、図書館・博物館・美術館・文書館などの文化機関におけるデジタルアーカイブ関連事業の持続可能性が問題となっている。そこで当該事業の価値を適切に把握し、その課題点を明らかにし、その成果を社会にアピールするための評価方法として、「インパクト評価」と呼ばれる一連の方法論が注目を集めている。

    一方でインパクト評価は困難かつ複雑な領域であるとも言われ、英国を始めとする先進的な地域においても理論・実践ともに発展の途上にあり、国内においてはほとんど受容されていないというのが現状であろう。そこで本発表では「デジタルアーカイブ」を念頭に「インパクト評価」と国内外におけるその諸動向を概観し、国内のデジタルアーカイブ関連事業の評価方法としてインパクト評価を導入する場合の諸課題について整理・検討を行い、今後の議論の素地を提供することを目的とする。

  • 坂井 知志
    2018 年 2 巻 2 号 p. 48-51
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    デジタルアーカイブの現状と課題を分析するためには、デジタルアーカイブの必要条件を明確にすることが欠かせない。そこで、①文化継承というコンセプト②デジタルデータの特性の理解③マイグレーション計画性④利用しやすさ⑤メタデータの有無と内容⑥適切な権利処理の6 点からデジタルアーカイブの必要条件を述べ、そのことを踏まえて現状と課題を今後のコミュニティアーカイブの構築という視点から言及する。

  • 筒井 弥生
    2018 年 2 巻 2 号 p. 52-55
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    デジタルアーカイブは語られる場や人々によって意味するところが多様である。アーカイブということばの意味を共有することで、整理されていく部分もあるのだろうか。そもそもギリシアでは、という大昔に遡って、アーカイブズとは、を調べるのに、様々なWWW上の資源やデータベースの恩恵に浴してきた。本発表では、例えば、米国タフツ大学のペルセウス・デジタル・ライブラリーでアーカイブズの語源とされるarcheionを検索して得られる結果をどう解釈し、ライブラリー内をどう移動するかを示したい。あわせて、アテネのアゴラ発掘サイトやヘレニック・コスモス・文化センター、碑文や壺絵のデータベースも紹介し、アーカイブについて考えてみたい。

  • 金井 光代, 中村 弥生, 田中 直人, 近藤 尚子
    2018 年 2 巻 2 号 p. 56-59
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本事業では、服飾分野における機関横断型デジタルアーカイブの構築に向けて、服飾資料収蔵機関への訪問調査を行うとともに、服飾資料収蔵機関・有識者・先進的取り組みを行っている機関との連携構築に向けてのネットワークづくり、情報収集に努めてきた。

    その結果、データベースを一般公開している機関は約半数にとどまることが明らかになった。各機関とも、公開に意欲はあるものの、構築・継続的公開のための人員、予算、ノウハウがなく、実際に公開するには至っていない。また、公開の目的、想定利用者が各館で異なることが分かった。横断検索システム構築には、共通の目的、利用者を設定することが重要であるため、その先導役、取りまとめ役を担う拠点の存在が必要不可欠であることも明らかになった。本報告では、機関横断型デジタルアーカイブ実現に向けて取り組んできたこれまでの活動を報告すると共に、今後の展望についても言及する。

  • 細矢 剛, 神保 宇嗣, 中江 雅典, 海老原 淳, 水沼 登志恵
    2018 年 2 巻 2 号 p. 60-63
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    気候変動解析や保全政策などのためには、どこにどのような生物がいたかというオカレンスデータ(在データ)は重要であり、多数のデータを集積して利用するという活動が必要となる。GBIF(地球規模生物多様性情報機構)はこの目的で2001年に設立された。この活動のため、日本の機関から生物系の自然史データを収集し、国内利用のためにデータを公開しているのがサイエンス・ミュージアムネットである。S-Netは、国立科学博物館が運営する標本情報の公開サイトであり、現在80を超える日本全国の協力機関から収集された450万件の自然史標本データが公開されており、検索・ダウンロードの他、検索結果を地図に表示することができる。これらのデータは、チェックリストの作成や、分布域の予想などに利用されている。S-Netから公開されているデータの大部分は動物および植物であり、菌類のデータ数は限られている。また、データは日本全域をカバーしてはいるが、数は全国で一定ではない、などの課題も多い。

  • 木村 涼
    2018 年 2 巻 2 号 p. 64-66
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    演劇に関連する資料を所蔵している代表的な博物館として早稲田大学坪内博士記念演劇博物館が知られている。

    江戸時代の歌舞伎についてみれば、錦絵、台本、芝居番付をはじめとする所蔵資料のデジタルアーカイブは充実をみせている。特に、三都(江戸・京都・大坂)で開催された芝居興行関連資料は豊富である。したがって、三都の歌舞伎研究はより取り組み易い状況となっている。

    一方、歌舞伎役者の地方興行研究に目を移せば、各地域にはそれぞれ独自性があり、それを捉えることが重要である。ところが、芝居番付や台本、木戸銭覚などの興行関係資料は多く所蔵されているにも関わらず、デジタルアーカイブという点において進展をみせていない。

    本報告では、演劇博物館のデジタル・アーカイブコレクションとコミュニティ(地域)アーカイブコレクションの結びつきが歌舞伎役者の地方興行研究へ及ぼす有効性について検討する。

  • 土屋 紳一
    2018 年 2 巻 2 号 p. 67-70
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    早稲田大学演劇博物館では、2015年4月に立体資料の3DデータをWebGL[1]技術によってブラウザのみで閲覧を可能としたシステムを公開した。立体資料の3Dデータは、画像・音声・動画とは異なり、表示をするためのパラメータが非常に多い。さらに、3Dデータを操作するためのインターフェイスなどを作成しなくてはならず、公開までのハードルが高い。しかし今後、3Dプリンタの普及やVR・AR技術の進歩などを考慮すると、かつてないほどの3Dデータ活用が広がるとみられる。課題と向き合いながら公開資料数を増加させ続けているのは、将来のデジタルアーカイブにとって、重要な役割を担うと考えているからだ。当館が立体資料の公開において重視してきた、表示のパラメータと操作のためのインターフェイス、効率的かつ高精度の3Dデータ化の事例報告と、現在も解決できていない課題を発表する。

  • 大西 亘
    2018 年 2 巻 2 号 p. 71-74
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    自然史博物館に収蔵される自然史標本は、研究成果の証拠標本として引用明示されることで、自然科学研究の再検証可能性を担保する。近年、自然科学研究の文献情報は、その引用・被引用関係も含め、インターネットを通じて広く閲覧・参照可能となっている。また、自然史博物館の収蔵標本についても、目録や標本画像のインターネット公開が進み、参照・引用への障壁が取り除かれつつある。こうした状況下において、「博物館資料」×「引用先文献情報」間のクロスリファレンスシステムは、博物館における学術情報の流通と博物館資料の利活用を推進する仕組みとして期待される。この仕組みの現状と課題について、自然史標本のうち、生物のタイプ(基準標本)の事例に着目すると、国際的な情報基盤が整いつつある一方で、国内の博物館における、進行途上のデジタル・アーカイブについての課題と、従来からある資料管理上の課題が浮かび上がる。

  • 鈴木 親彦
    2018 年 2 巻 2 号 p. 75-78
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本発表では、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)によるデータ提供事例と、各機関がIIIF (International Image Interoperability Framework)に則って提供している画像を横断的に研究活用した事例を示す。それを踏まえ、データ提供者と提供されたデータを実際に利用する活用者の両面からデジタルデータのあり方の議論を提起する。

    発表者はCODHの一員としてIIIFに準拠した様々なデータを提供している。一方で、アーカイブ横断でIIIF画像を自由に切り抜きリスト化し「キュレーション」できるツール「IIIF Curation Viewer」を利用して研究を行うデータ活用者でもある。キュレーションによってアーカイブを横断的に利用できる一方、公開と活用のはざまにある課題も明らかになる。例えば、キュレーションにいかなるメタデータを付与するべきか、出典はどう記載すべきか、キュレーション間の引用ネットワークをどう示すか、などである。最終的には公開者の存在が見えなくなる可能性や、予め公開者が意図した目的と異なった活用がなされる可能性も考えられる。これは今回の事例にとどまらない、デジタルアーカイブが普及する中で広く考えるべき問題でもある。

  • 塩 雅之, 町 英朋, 坂井 知志
    2018 年 2 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    平成29年度子どもゆめ基金の助成を受け、日本デジタルアーキビスト資格認定機構東日本支部が中心となり茨城県水戸市、茨城県高萩市、島根県大田市の3か所で「子どもデジタルアーキビスト養成講座」を実施する。会場ごとに異なる内容・時間でのカリキュラム開発を行って実施し比較することにより、子どもデジタルアーキビストの養成カリキュラムとしてより適切なものを目指した。この取り組みについてまとめ、今後の展望を合わせて報告する。

  • 北村 順生
    2018 年 2 巻 2 号 p. 83-86
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    各地で登場しつつある地域のデジタル映像アーカイブの活用に関して、教育分野での活用は有効であると期待できる。小学校における授業実践のワークショップにより、映像アーカイブを授業で活用することにより、学校と地域社会との連携の強化、子どもたちの興味か関心の向上、メディアリテラシーの涵養、といった効果が見られる。一方で、技術・人材面での整備、授業デザインの開発、教科・単元に対応した映像資料のパッケージ化といった課題が存在することが分かった。

  • 大久保 ゆう
    2018 年 2 巻 2 号 p. 87-90
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    1997年7月に創設された「青空文庫」は、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、図書館のようにインターネット上に集めようと考えて、20年のあいだ民間ボランティアによる活動を続けてきた。また初期から電子化の軸となるファイルに「テキストファイル」を選び、書籍から電子化する際のルールを厳格に定めるとともに、ファイル共有の実現のために必要かつ妥当なあり方を作業するなかで探求し続けてきた。その活動のなかで確立された電子化ルールは、通称「青空文庫形式」とも呼ばれているが、現在は作業マニュアルおよび「注記一覧」としてまとめられた上で一般公開され、青空文庫内外で活用されている。本発表では、青空文庫で用いられているテキストファイル化のルールについて、その誕生から発展・活用に至った経緯、そしてその品質管理を論じるものである。20年の電子化活動から生まれた、日本語(による/のための)マークアップの可能性を再考したい。

  • 一ノ瀬 修一, 浦野 あずみ, 佐藤 武彦
    2018 年 2 巻 2 号 p. 91-94
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    従来、原資料の非接触撮影には、カメラ撮影方式が用いられている。原資料が数メートルにも及ぶ巨大な古地図等を光学解像度400dpiで撮影する場合は、複数回に分けて分割撮影し、画像処理ソフトを用いて接合して再統合する手法が用いられる。しかしながら、画像接合時に一定の寸法歪みを回避できない問題があった。

    我々はテレセントリックレンズを採用した非接触式のイメージスキャナ「オルソスキャナ」を開発した。温度依存性を評価した結果、1メートル長に付き、0.1ミリメートル未満の寸法精度を達成する能力があることが判った。その結果、1万対1という高い寸法精度でデジタルアーカイブが可能となるだけでなく、分割撮影画像の接合作業が全自動で行えるようになり、大幅な撮影作業時間の短縮が期待される。

  • 下徳 大祐, 藤原 章雄, 小林 博樹, 中村 和彦, 斎藤 馨
    2018 年 2 巻 2 号 p. 95-98
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    著者らは電源設備やネットワーク設備のない森林内(福島第一原発事故に伴う帰還困難地域など)において,環境音や景観画像を収録しアーカイブし続けており、これらを利用して毎年春期に森林性鳥類の聞き取り調査の研究活動が実施されている。しかしこれらの音源は、再生帯域などの問題で現地で環境音を聞くよりも非可聴音の情報が欠落して聞こえるという問題がある。また、聞き取り調査は人的資源の問題から聞き取りを行える頻度が少ないという問題がある。自動解析が求められている。そのため著者らは触覚トランスデューサを用いて欠落した低周波域音声を復元する装置を制作した。機械学習の教師データを非熟練の作業者を利用することで作成し、機械学習を行うことでこれらの問題を解決しようとした。制作した装置では対象の音を同定でき、自然音をリアルに感じられることが判った。機械学習によって福島県双葉郡浪江町でのウグイスの生息数の年変動を求めた。

  • 山口 学
    2018 年 2 巻 2 号 p. 99-102
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    市町村立図書館では所蔵資料をデジタルアーカイブ化したいという希望が多いが、財政難のため実現できない図書館が多いので、低コストでデジタルアーカイブを構築できるようにするため、ユネスコが発展途上国の図書館向けに無償で提供しているオープンソースソフトウエアGreenstoneの日本語版の開発に着手したが、組み込まれているインデクサーが日本語の形態素分析ができないためメタデータの検索ができないという問題に直面したのでクラウドシステムのオープンソースのソフトウエアであるFess serverをGreenstoneと組み合わせGreenstoneのメタデータをクローリングさせてメタデータを検索可能にした。今後検索したメタデータにもとづいてGreenstoneのデータをユーザーがウエブ上で直接利用できるよう計画中である。図書館員が主体的に低コストで構築できるオープンソースのデジタルアーカイブをめざす。

  • 河道 威, 古賀 崇朗, 永溪 晃二, 穗屋 下茂, 梅崎 卓哉, 田代 雅美
    2018 年 2 巻 2 号 p. 103-106
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    佐賀大学では、これまでに佐賀県内の伝統工芸や伝承芸能などの歴史的・文化的な資産や資料を映像として記録し、デジタルコンテンツ化及びeラーニングコンテンツ化を行ってきた。それらのデジタルコンテンツをアーカイブし、誰でもWeb上で閲覧できるようにするため、2014年に「佐賀デジタルミュージアム」を構築した。システムとしては、ポータルとしての役割を担うWordPress、収蔵品の管理・検索・展示を行う Omeka、eラーニングのプラットフォームとして Moodle(Modular Object-Oriented Dynamic Learning Environment)を用いて構成している。公開当初は15項目の収蔵品でスタートしたが、現在は、徐々にではあるが収蔵品の数を増やしている段階である。本稿では、佐賀デジタルミュージアムの概要とその収蔵品の収集・制作の現状とこれからの課題について報告する。

  • 前川 道博
    2018 年 2 巻 2 号 p. 107-110
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    地域デジタルコモンズは、地域デジタル知識基盤プラットフォームのコアとなる知識・データの共有地である。デジタルコモンズの実現に向けては、学習者の立場に立ち、一人一人の知的生産の支援、生産された知識の共有・利用促進を図ることが必要である。

    新しい地域学はデジタル資料も活用をし、自らが主体的に地域社会とふれあい、記録し、発信して学びを成就していく学びである。学習者自身のインタレストに発し、デジタル知識基盤のオープンな資料、情報源を活用し能動的に学びを楽しむ。自身の学びが他者への知識・データの提供という形で知的なインタラクションへと誘う学びに転じることが可能である。

    本論では地域デジタルコモンズを分散型の学習支援環境概念として定義する。実アーカイブサイト「わたしたちの信州」で実際にデジタルコモンズ構築が可能であることを例証する。

  • 永崎 研宣
    2018 年 2 巻 2 号 p. 111-114
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    国際的な画像共有の枠組みIIIFは世界的に大きな広まりをみせつつ、日本でも徐々に普及が進みつつある。IIIFにはいくつかの課題があるものの、コミュニティによって解決へと進められつつある。一方、IIIFに限らず、高精細画像の公開・共有につきものの課題もあるが、これがIIIFの課題と混同される例もある。そこで、本発表では、高精細画像の公開・共有における課題とIIIFにおける技術面・運用面での課題とを切り分けてそれぞれに提示するとともに、その解決方法について検討する。

  • 宮本 聖二, アリアナ・ ドゥフゼル
    2018 年 2 巻 2 号 p. 115-119
    発行日: 2018/03/09
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    太平洋戦争の直前から戦後にかけて映画館で上映されていたニュース映画、「日本ニュース」。1940年6月に上映が始まり、戦争が終結した1945年夏までは、戦争遂行と国家総動員のためのプロパガンダを目的に制作された国策映画である。軍官当局の検閲を受け、あるいはその指導のもとで制作されていた。現在、デジタルアーカイブ「NHK戦争証言アーカイブス」でこの間の現存するすべての「日本ニュース」を観ることができる[1]。

    当時、人々が接していたメディアは、ほかにラジオや新聞、雑誌などもあり、ニュース映画はその一部でしかない。しかし、唯一の動画であり、映像の持つ独自の訴求力で人々の意識に強く働きかけたはずである。ここでは、1940年6月から太平洋戦争開戦までの18ヶ月間(毎週火曜日公開、第1号から79号まで)に「日本ニュース」が何をどのように伝えたのかを見つめ、人々が新たな戦争を受け入れるにあたってどのような役割を果たしたのかを考察する。

  • 日下 九八
    2018 年 2 巻 2 号 p. 120-123
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    初回の企画立ち上げから、各地のウィキペディアタウンをサポートし、またファシリテーター養成講座や甲州エディットソンなど関連イベントにも関わってきた経験から、各事例を報告し、ウィキペディアタウンに期待されるもの、得られるものを、デジタルアーカイビングの観点から整理する。

  • Nurjanah , Watanave Hidenori
    2018 年 2 巻 2 号 p. 124-127
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    We developed the Aceh Disaster Digital Archive to make information about past disasters more accessible to communities. It employs an open-source data platform, allows free access, and is interactive and easy to use, which is essential for engaging the younger generation. Similar disasters can occur anywhere in the world, and by collecting multimedia data related pre-and post-tsunami Aceh in an alternative medium, we have put it into a visual form and linked it with Social Network Services (SNSs) to facilitate the transfer of information and knowledge about earthquake and tsunami experiences in Aceh to promote sustainable disaster mitigation. Information is the most important issue in Disaster Risk Reduction (DRR). Information transfer and dissemination is needed, sustainability from generation to generation. Indian Ocean tsunami in 2004 was occure in Aceh. The tsunami was estimated to cause more than 200,000 dead. One of the big reasons is GAP information from the past disaster. Today, information could be delivered and spread up to the world as soon as possible by internet. In this millennium era, used historical digital archive and display in open data source by github platform is one of solution to fill in the GAP information for Disaster Risk Reduction and global information. The Aceh Disaster Digital Archive will remind people around the world that local knowledge from past disasters offers invaluable lessons for disaster risk reduction and global information.

  • 田村 賢哉, 井上 洋希, 秦那 実, 渡邉 英徳
    2018 年 2 巻 2 号 p. 128-131
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    「デジタルアーカイブ」の多様化により,これまで利用側であった非専門家である市民が積極的にアーカイブズに取り組む可能性を有している.そうした背景から本発表では,デジタルアーカイブにおける市民参加の新しいアプローチとして,ヒロシマ・アーカイブなどの「多元的デジタルアーカイブ」の複数の活動の特徴を述べ,それらの有機的な制作環境の実態について言及した.そうした実践からデジタルアーカイブの社会に及ぼす影響について考察を行い,デジタルアーカイブの新しい研究領域として「参加型デジタルアーカイブズ」を述べる.

  • 原田 隆史, 川島 隆徳
    2018 年 2 巻 2 号 p. 132-135
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    地方自治体の95.7%が例規集をWeb上で公開しているが,その多くは自治体のWebページ内で閲覧ができるのみであり,複数自治体の例規を横断検索することは困難である。また,4.3%の自治体の例規はオンラインで検索ができない。本研究ではWeb上で例規集を公開している1,712自治体のデータを自動収集するとともに,Webでは公開していない自治体にも協力を依頼して本文のデジタル化およびメタデータの作成を行い,1,739自治体(全1,788自治体中の97.3%)の例規集を横断で全文検索できるデジタルアーカイブシステムを開発した。本システムでは,現行の例規に対する横断検索を行うことができるほか,自治体種別,語句の出現場所,制定年などを指定した詳細検索も行うことができる。また,改定されたり廃止された例規についても保存して検索することができるアーカイブ機能も備えている。

  • 久世 均
    2018 年 2 巻 2 号 p. 136-139
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    飛騨高山匠の技の歴史は古く,古代の律令制度下では,匠丁(木工技術者)として徴用され,多くの神社仏閣の建立に関わり,平城京・平安京の造営においても活躍したと伝えられている。しかし,現在の匠の技術や製品についても,これら伝統文化産業における後継者の問題や海外への展開,地域アイデンティティの復活など匠の技を取り巻く解が見えない課題が山積している。

    本研究では,知識基盤社会におけるデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,これらの地域課題に実践的な解決方法を確立するために,「知的創造サイクル」をデジタルアーカイブに応用して飛騨高山の匠の技に関する総合的な地域文化の創造を進めるデジタルアーカイブの新たな評価指標ついて試案をまとめたので報告する。

ポスター発表
  • 平野 桃子, 東 由美子, 時実 象一, 柳 与志夫
    2018 年 2 巻 2 号 p. 140-143
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    欧米で進んでいる古い新聞のデジタル化とその活用に対し、我が国では全国紙は別として、デジタル編集導入以前の過去に発行された地方新聞のデジタルデータの公開とその活用は、ほとんど進んでいないのが現状である。しかし、古い新聞原紙の劣化の進行、地方紙の地域における役割の重要性等に鑑みて、過去の地方紙のデジタル化は、今後の我が国のデジタルコンテンツ形成、及びデジタルアーカイブ構築にとって極めて重要な課題となっている。

    このような問題意識のもと、筆者らは、2017年2月から5月にかけて、日本新聞協会の協力を得て、協会に加盟する地方新聞社73社に対し、デジタル化に関するアンケート調査をおこなった(回収率64.4%)。

    調査内容は、(1)各社における原紙・縮刷版・マイクロフィルム・DVD・CDでの保存状況、(2)オンライン上で公開されたデジタルデータに関する状況、(3)非公開の形でのデジタルデータに関する状況、(4)デジタルデータの公開基準(フリーアンサー形式)の4項目であった。

    本稿では、それらの概要について報告をおこない、地方紙のデジタル化やデータの公開に関する課題、問題点等を検討する。

  • 岡田 一祐, 山本 和明, 松田 訓典
    2018 年 2 巻 2 号 p. 144-145
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本発表は,日本語の歴史的典籍(明治時代以前の書物)の情報基盤とすべく構築された新日本古典籍総合データベースに関する知見について議論する.国文学研究資料館では,2017年10月に新日本古典籍総合データベースを公開した.これは,日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画の一環で進められた古典籍のデジタル画像化,およびその利活用の基盤として作られたものである.

    新日本古典籍総合データベースは,古典籍に関する総合ポータルたるべく,書誌データのみならず,画像タグなどの画像アノテーションや,全文テキストへの検索機能を通じて,多角的な視点からの古典籍へのアクセスを可能としている.このほかにも,資料へのアクセスの永続性を確保するために,多機関に分散する資料のデジタル画像をデータベースで一元管理し,またデジタルオブジェクト識別子(DOI)を個々の資料に附与するなどして,利用に関する安定性を確保すべく努めている.

  • 石田 惣, 中田 兼介, 西 浩孝, 藪田 慎司
    2018 年 2 巻 2 号 p. 146-147
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    自然史博物館が生物学研究に関連する動画データのアーカイブを立ち上げようとする場合、権利処理や保管・公開方法等に課題が想定される。本研究では動画を研究データとして用いる生物学研究者にアンケート調査を行い、その課題の抽出を試みた。その結果、教育目的での利用可能性という点では、動画アーカイブには資料提供者・利用者双方のニーズがある。ただ、ウェブ公開や営利目的利用、目的が予想できない利用に対しては資料提供者側の抵抗感が強いことも示唆された。

  • 長谷川 智子, 櫻井 順子, 須崎 正美, 山本 美知, 長島 豊太
    2018 年 2 巻 2 号 p. 148-149
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    科学がわかるたのしさを伝えてくれる岩波科学教育映画は,制作後50年を経ても学校および市民のための科学教育に力を発揮してくれる。科学の原理や基本法則は,時代を経ても変わらない。それを初学者に教えるとき、科学の方法(仮説・実験)を取り入れ,視聴者を惹きつけるストーリーでできた科学教育映画は,現代の科学教育の課題への道を開く手段となりうる。映像と科学教育の研究会では,16mmフィルムで制作された映画をデジタル化し,活用への道を開いてきた。さらに映像と視聴者とをつなぐコミュニケーションの工夫を重ね成果をあげている。

  • 大石 康介, 豊田 将平, 吉岡 孝祐, 三原 鉄也, 永森 光晴, 杉本 重雄
    2018 年 2 巻 2 号 p. 150-151
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    近年、マンガ・アニメ・ゲーム作品のアーカイブにおけるデータベース整備の取り組みが始まっている。本研究では、これらの横断的なデータベースに求められる、複数の作品が物語や登場人物を共有することで持つ関係を記述するデータセットの開発を行った。Wikipediaの記事及び構造情報を用いたデータセット作成手法を開発することで、それぞれ約12000件、5000件、30000件のマンガ、アニメ、ゲーム作品を対象にしたデータを作成した。

  • 住本 研一, 余頃 祐介
    2018 年 2 巻 2 号 p. 152-153
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    科学技術基本計画[1]にもオープンサイエンスの重要性が明記され、論文のオープンアクセス化、研究データのオープン化への動きが活発になっている。また、オープンサイエンスの基盤としてのデジタルアーカイブの重要性も増している。

    このように多くの情報が行き交うようになると、コンテンツの特定や識別が重要になる。今回ジャーナル論文では一般的になった国際的永続識別子DOIを紹介する。DOIは、論文だけで無く登録対象コンテンツを最近増やしており、今回国内での古典籍への適用事例や海外でのデジタルコンテンツへの適用事例等を紹介したい。当日はそれらの事例を踏まえて、デジタルアーカイブに搭載されたコンテンツへのDOI適用の可能性を議論させて頂きたいと考えている。

  • 山浦 徹也, 保阪 太一, 斎藤 秀樹, 渡邉 英徳
    2018 年 2 巻 2 号 p. 154-155
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、若年層が地域に愛着を持ち、能動的に地域学習ができるシリアスゲームの実践について報告する。山梨県南アルプス市の文化財課は小学校と連携し、地域学習のための郷土資料アーカイブを制作している。発表者らは、アーカイブの制作プロセスにシリアスゲームを組み込み、児童の情報整理能力と創造的思考を育むことを企図している。ゲームにおいては、各チームが予め設定したテーマに対して発見・理解・発信の三段階のゲームを通して、アーカイブを制作していく。ゲームは以下のプロセスで進行する。

    1.発見:郷土資料を元にしたクロスワードゲーム

    2.理解:史跡でのフォトロゲイニング

    3.発信:集めた情報をまとめたアーカイブを制作

    上記のプロセスを、シリアスゲームの評価指標「RETAIN」モデルに基づいて評価する。この手法は、地域への理解を促進する参加型デジタルアーカイブのモデルになると期待する。

  • 小泉 真理子, 上條 由紀子, 寺田 遊
    2018 年 2 巻 2 号 p. 156-157
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    2000年以降、経済や外交において文化の影響力が注目されている。その中で、戦後直後に現在の日本文化の基礎がいかに築かれたかを探究することは必須である。しかしながら、国内において当時の関係資料の多くは失われている。本研究では、米国大学所蔵の貴重な文化資料を、国内外で誰もが閲覧可能にすることを目的とし、グローバルな産学の連携により、デジタル化と公開作業を実施している。具体的には、ハワイ大学マノア校図書館の、連合国最高司令官総司令部が1945年から4年間に日本において検閲した歌舞伎脚本の英語版原本(“Stanley Kaizawa Kabuki Collection”)をデジタル化・テキスト化し、一部をインターネットで公開予定である。今後は資料の背景をヒアリング調査等により明らかにする。本研究が、占領期の日本における表現活動の実態を多面的に明らかにすることに寄与し、日本文化史の欠落を補う一助となるとともに、米国の対日文化政策等の関連研究を誘発することが期待される。

  • 渡邉 康太, 渡邉 英徳
    2018 年 2 巻 2 号 p. 158-159
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は,デジタルアースを用いたドローンマップ&アーカイブによる風景資産の活用法を提案する.対象地域は徳島県におけるドローン特区としての町おこしを実践している徳島県那賀町である.まず,那賀町が発行しているドローンの飛行可能空域マップを基に,デジタルアースを用いたドローンマップ&アーカイブを作成し,空撮スポットの地形と風景資産を視覚化する.次いで,作成したコンテンツについてのアンケートを実施し,その有用性を検証する.本研究の成果は,対象地域以外において広く活用できると考える.

  • 岑 天霞
    2018 年 2 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では、平和教育における日中間お互いの平和観についての理解を促進させる手法について検討する。そのために、グーグルアースを使って日中戦争と反戦映画のデジタルアーカイブを開発した。現在日本と中国お互いに対する「親近感の低さ」について、これまで日中間情報源の研究は主に「教科書」や、「ニュースメディア」についての比較であり、平和教育の役割を担っている戦争や反戦映画という点については、十分に検討されていない。そこで本研究では、日中反戦や戦争映画の題材や主旨などによってデジタルアーカイブを作り、縦方向で映画評価の高さを、横方向で映画の背景となる地域を表現する。こうして、日中両国の視点から戦争や平和についての価値観をデジタルアーカイブで可視化する。そして日中反戦映画の全体像を把握した上に、両国の主流価値観を表す高評価の作品をピックアップして徹底的に比較する。

  • 秦 那実, 渡邉 英徳
    2018 年 2 巻 2 号 p. 164-165
    発行日: 2018/09/03
    公開日: 2018/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    本発表では、多元的デジタルアーカイブ「ヒロシマ・アーカイブ」の活用方法として、AR(拡張現実)アプリを用いた高校生向けの平和学習教材の制作状況について報告する.発表者らは、修学旅行生を対象とし、ARアプリを補助教材として使用する平和学習を企画しており、そのナビゲーションのための「ワークブック」を、地元の高校生と共同制作している.フィールドワークと学習の内容は高校生の親しみやすさを配慮したデザイン施して、ワークブックのプロトタイプを制作する.このプロトタイプを元にして、リーンスタートアップ手法に基づく制作・検証を繰り返し、完成度を高めている.随時、実際の修学旅行生にテストしてもらい、フィードバックを反映していくことによって、学び手にとって親しみやすい平和学習教材の制作手法を確立できると考える。

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