2019 年 3 巻 2 号 p. 187-190
本研究では、インターネット百科事典Wikipediaと同じく、現在、最も知られているオープンデータプラットフォームであるWikimedia Commonsに着目した。そして、兵庫県伊丹市に残る酒造り唄を伊丹市立図書館ことば蔵における市民参加型活動にて、Wikimedia Commonsにオープンデータデジタルアーカイブする試みについて、その意義と課題について考察した。その結果、Wikimedia Commonsをデジタルアーカイブプラットフォームとすることで、費用をかけない永続的なデジタルアーカイブをオープンデータとして実現した。そして、地域の歴史的音源の市民参加型のデジタルアーカイブ手法を提示した。さらに、歴史的音源のオープンデータデジタルアーカイブに際しては、歌唱者、演者も含めた著作権者全員の許諾とその手法の確立が必要であることが明らかとなった。