2020 年 4 巻 2 号 p. 187-190
本研究は、天然記念物の保存と活用に向け、天然記念物に指定される国立科学博物館附属自然教育園をモデルに、経験に基づき行われている植生管理について、GISを活用してデータ化し、可視化する植生管理手法の開発を試みている。また、自然教育園には毎木調査データ、動植物目録や写真記録など、多数のデジタル化されたデータが蓄積されている。野外博物館である自然教育園において、これらのデータはコレクションの記録に該当し、自然の変遷を知る上で非常に意義深いものである。データは積極的に活用されることが望ましく、来園者への自然理解を深めるための展示教育への利用に取組んでいる。今回、植生管理および展示教育の観点から、自然教育園において過去60年間にわたり蓄積された毎木調査のGISデータを可視化した事例を報告する。