2020 年 4 巻 3 号 p. 256-259
本稿は、スポーツ資料の特性から関連機関とのネットワークの必要性と課題を整理し、秩父宮記念スポーツ博物館の役割を展望する。スポーツ資料は、膨大な資料を構造的にアーカイブする必要がある。しかし、多くのスポーツ博物館には学芸員などの専門職員がおらず、収集・保存の基盤が脆弱である。対応策の一つとして、スポーツ庁が検討しているスポーツ資料の共有データベースがある。これを活用して共通メタデータから目録整備を図り、スポーツ資料のストーリーを整理することで、スポーツ資料の新しい意味の生成が期待できる。秩父宮記念スポーツ博物館は、ネットワークの構築にともなったナショナルセンターの役割を果たすことが急務である。