2020 年 4 巻 s1 号 p. s13-s16
北海道の面積は,千葉,茨城,神奈川などを含めた12の県の合計よりも大きく,そのような広い地域に179の市町村が点在している。この地で現在の北海道の礎を築いたのは,いまよりもはるかに厳しい自然を乗り越えて原生林を切り拓いた明治初期の屯田兵と呼ばれる人々を含む開拓者たちであり,これらの開拓者たちの苦闘の痕跡や生活の様子は各地に残っている。著者は,デジタルアーカイブ化を目的として北海道の郷土資料を撮影し,デジタルデータの蓄積を行っている。本報告では,蓄積したデータをもとに,民具の分布状況をマップ化し,北海道における,かつての生活の様子を地理的に横断して眺めることを目的としたデータ可視化の結果を示す。