2020 年 4 巻 s1 号 p. s77-s79
東京農工大学科学博物館は大学所縁の学術コレクションを収集・保存を行なっている。このような教育・研究機関が内包する「学術資料」は、組織統合などの変遷により資料が埋没化しやすい。特に蚕糸科学領域は、自然科学資料でありながら人文学科学側面を持つ領域横断的な特殊性を持っており、資料の可視化により多分野での研究進展が期待される。一方で2020年夏季に本公開となる「ジャパンサーチ」は人文科学、自然科学領域を超えた横断型検索による資料発信手法を提案するものである。本発表では、所蔵の蚕糸学術コレクション群のうち、錦絵資料「蚕織錦絵コレクション」を対象に、ジャパンサーチへの公開プロセスを紹介すると共に、進行上明らかになった学術資料の可視化の上での課題と対応を例示する。