デジタルアーカイブ学会誌
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特集:新型コロナウィルス感染とアーカイブ
コロナ関係資料からみえてくるもの
持田 誠
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 5 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

新型コロナウイルス感染症が地域社会へ及ぼした影響を示す資料を「コロナ関係資料」と呼ぶ。コロナ関係資料の多くは、一過性の配付物や掲示物などのエフェメラであり、感染拡大の渦中にあるうちに収集しなければ、すぐに世の中から消え去ってしまう。これらは、感染症下で人々の暮らしを知る上で、有益な情報を与えてくれる歴史資料的な価値がある。いっぽう、コロナ社会を象徴する物としてマスクがある。浦幌町立博物館では、特に手づくりのマスクに着目した展覧会を開催した。コロナ関係資料の収集は、パンデミック下における資料収集と地域の記録化という博物館の使命のひとつであり、博物館資料論上の新しい課題ともいえる。

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