2021 年 5 巻 s2 号 p. s130-s133
2020年以降のCOVID-19の世界的な感染拡大は、各国の観光産業にも多大な影響を及ぼした。観光において基板となる人の「移動」が制限された上、在宅を促す「ステイホーム」が推奨された結果、移動を伴わないイベントが定着するようになった。つまり、個人が所有するPCやスマートフォン等の電子機器を介して、観光を疑似体験する「オンラインイベント」が、新たな催事の開催様式として急速に我が国に浸透するようになった。当観光現象は成長を遂げつつある新たな観光の一形態であり、Webサイトやバーチャル空間の導入によって変化を遂げる観光の姿を、アフターコロナ時代にも対応できるようにアーカイブ化していくことに研究の社会的・学術的意義があると考えた。そこで本研究では、未だ研究事例の不足しているアニメ・特撮作品を活用したオンラインイベントに焦点を当て、既存の対面型イベントとの比較による利点と欠点について、実態調査による記録と整理を行なった。