2021 年 5 巻 s2 号 p. s157-s159
情報社会の発達に伴い、人々は好きな時に好きな曲を楽しめるようになった。クラシック音楽の世界では、音楽批評に代表されるような有力者の言説よりも、一人一人が主体的に多様な音楽を楽しむことができ、その様相を掴むことは難しくなりつつある。現代の世界の音楽研究はデータ分析を主軸にした「レパートリー研究」「実証研究」が台頭しつつあるが、日本は大きく遅れを取っている。本研究では演奏記録データベースの日本版として、演奏記録を構成する諸要素の関係従属性を踏襲した関係データベース構築・公開することで、実証的観点からの日本のクラシック音楽研究や議論の「ハブ」となるデータベースを作成を目指す。本発表では、最初の試みとして、仙台市市民文化事業団「多様なメディアを活用した文化芸術創造支援事業」の助成金を受けて作成中している「仙台フィル定期演奏会演奏記録アーカイブ」について報告を行う。