2022 年 6 巻 4 号 p. 155-158
東日本大震災を契機に、震災記録を収集保存するために多様な組織により多くの震災アーカイブが立ち上げられ、国立国会図書館はそれらのポータルとなる東日本大震災アーカイブを公開した。しかし、これらの震災アーカイブの維持運営には様々な課題があり、震災から10年以上が経過した現在、維持困難となって閉鎖された事例も出てきている。国立国会図書館は、閉鎖された一部の震災アーカイブの資料を承継して公開を続けており、承継に伴う権利処理など様々な課題に取り組んでいる。本稿ではその経験に基づきアーカイブの閉鎖とそれに伴う課題について述べる。