デジタルアーカイブ学会誌
Online ISSN : 2432-9770
Print ISSN : 2432-9762
6 巻, 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
特集:デジタルアーカイブの消滅と救済
  • 柴山 明寛
    2022 年 6 巻 4 号 p. 151-154
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2023/01/05
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    1990年頃から国内外でデジタルアーカイブ構想が活発化しはじめ、現在、博物館や図書館、教育機関などで数多くのデジタルアーカイブが構築されている。その一方で様々な理由によりデジタルアーカイブが消滅している現状がある。デジタルアーカイブが消滅する理由としては、デジタルアーカイブを運営する組織的な課題とデジタルアーカイブのシステム的な課題があると考える。そこで本総論では、デジタルアーカイブが消滅する理由について「組織的な課題」と「システム的な課題」を概説するとともに、救済方法についても概説する。

  • 井上 佐知子
    2022 年 6 巻 4 号 p. 155-158
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2023/01/05
    ジャーナル オープンアクセス

    東日本大震災を契機に、震災記録を収集保存するために多様な組織により多くの震災アーカイブが立ち上げられ、国立国会図書館はそれらのポータルとなる東日本大震災アーカイブを公開した。しかし、これらの震災アーカイブの維持運営には様々な課題があり、震災から10年以上が経過した現在、維持困難となって閉鎖された事例も出てきている。国立国会図書館は、閉鎖された一部の震災アーカイブの資料を承継して公開を続けており、承継に伴う権利処理など様々な課題に取り組んでいる。本稿ではその経験に基づきアーカイブの閉鎖とそれに伴う課題について述べる。

  • 細矢 剛, 神保 宇嗣
    2022 年 6 巻 4 号 p. 159-162
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2023/01/05
    ジャーナル オープンアクセス

    自然史データの代表として生物多様性情報をとりあげ、その基盤となる標本情報の集積・利用上の課題を議論した。国立科学博物館においては、館内のデータ管理には「標本・資料統合データベース」が、国内の自然史博物館のデータの集積を目的として「サイエンスミュージアムネット(S-Net)」がある。両者のシステム導入とデータの長期保管・長期利用における課題をスペック、仕様書、長期の維持と保証、データフォーマットとデータ移行の点から比較した。これらの観点に加え、今後は外部連携・セキュリティなどが評価できる人材の育成や、システム構築のノウハウ共有が大切である。

  • 田山 健二
    2022 年 6 巻 4 号 p. 163-166
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2023/01/05
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では、デジタルアーカイブの持続可能性において重要である「共同」「人材」「更新」「利活用」という4つの視点について、ADEACの業務に基づいて述べる。「共同」ではADEACの基本コンセプトと関係者全員が一体となり取り組むことの重要性、「人材」では当社が行うデジタルアーキビストの養成講座や情報リテラシーの大切さ、「更新」ではその有効性を示す事例とADEAC新バージョンの機能向上で生じる好循環への期待、「利活用」では学校での教材化実践によりデジタルアーカイブが地域に必要不可欠な知の基盤となることを述べる。こうした活動の継続により、デジタルアーカイブの持続可能性が高まり消滅回避に繋がると考える。

  • 山崎 博樹
    2022 年 6 巻 4 号 p. 167-171
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2023/01/05
    ジャーナル オープンアクセス

    近年、様々な機関や企業でデジタルアーカイブが構築されるようになってきた。しかし、十分にその継続性を図るための検討が行われず、アクセスの減少や費用をかけてデジタルデータ化やデジタルアーカイブシステムを再構築するケースもある。本稿ではこの課題をどのようにして対処するかについて、デジタルアーカイブの準備段階から構築後も含め、デジタルデータ、メタデータ、デジタルアーカイブシステム、運用、広報・人材育成の5つの観点から具体的な提言を行う。

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