2023 年 7 巻 s2 号 p. s39-s42
新潟大学アニメ・アーカイブ研究センター(ACASiN)は2016年から、アニメ演出家渡部英雄氏から管理・保存を任されたことを契機に、1980年代の作品を中心としたアニメーション原画、絵コンテなどのデジタル化、アーカイブ化を進め、「アニメ中間素材オンライン・データベース(AIMDB)」として閲覧者を限定したオンラインアクセスを提供している。筆者はこのデータベースを用いて進められている科学研究費助成事業基盤研究(B)『「アニメ中間素材」の分析・保存・活用モデルケースの学際的研究』に参加しており、2022年2月にProduction I.Gでアーカイブを推進する山川道子氏と、東映アニメーションでシニアプロデューサーを務める野口光一氏に、本データベースを試用頂いた上で、実務家としての所感を伺った。本稿ではアニメにおけるアーカイブの意義と、ヒアリングから抽出された可能性や課題について述べる。