国際公文書館会議(International Council on Archives)は、1994年にアーカイブズ資料の記述に関する国際標準として、ISAD(G)(General International Standard Archival Description)を公開して以来、これまでにアーカイブズの記述に関する4つの国際標準を策定し、2012年からはそれらを統合した新たなアーカイブズ記述の概念モデルRiC(Records in Contexts)の開発も進められている。
本報告では、東京大学文書館が所蔵する人事記録カードを対象に、アーカイブズ記述の国際標準に準拠した人名データベースの構築について報告する。同館では、所蔵資料の記述をISAD(G)に準拠して、階層構造からなる目録検索システムを提供している。人名情報については館内レファレンスに用いる簡易的な人名データベースが作成・使用されてきたが、公開と活用に課題があった。今回、将来的に目録検索システムの資料記述とのリンク付けをすることを想定し、団体、個人及び家に関するアーカイブズ典拠レコード記述の国際標準であるISAAR(CPF)(International Standard Archival Authority Record for Corporate Bodies, Persons and Families)に準拠したウェブデータベースのプロトタイプを作成した。
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