2025 年 9 巻 3 号 p. e1-e9
本稿の目的は、デジタルアーカイブを用いた、古典教育の学習モデルを提案・検証することである。稿者らは、古典に基づく絵画と古典の本文とを往還しながら比較することで、古典の本文読解を深化させるという学習モデルを考案し、大学での授業実践を通してその効果を検証した。その結果、学習モデルは『平家物語』と『竹取物語』のどちらにも適用可能であることが確認された。また、受講生の感想からは、学習モデルによって、絵画から情報を補完して本文理解を深める効果が示された。さらに、学習で使用した本文や絵画について、探究的な学びに発展させられる可能性も示唆された。