デジタルアーカイブ学会誌
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フルペーパー 実践論文
デジタル資料の長期保存のためのOAIS参照モデルによる情報パッケージの作成:東京大学史料編纂所を事例に
金 甫榮中村 覚山田 太造渡邉 英徳
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 9 巻 3 号 p. e15-e24

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抄録

本研究では、デジタル保存の国際標準であるOAIS参照モデルによる、長期保存のための情報パッケージ(AIP)作成時の課題を明らかにする。そこで、東京大学史料編纂所の「史料画像デジタル化進捗管理システム」を事例とし、同システムのメタデータとAIPの要素をマッピングする。その結果、AIP作成時に直面する課題として、1)保存計画やワークフロー、相互運用性を考慮した技術的メタデータの記述とパッケージ化の方法、2)真正性に関わる情報の明確化、3)統制可能な情報範囲の検討、が必要であることが明らかになった。本研究の意義は、抽象的であったAIPの概念を具体的な事例を通じて検証し、AIP作成時に生じる課題を明確にした点にある。

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