ダム工学
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論文
老朽化フィルダムの堤体改修に使用する固化処理底泥土の含水比と粒度を考慮した強度管理法の適用性の確認調査試験
福島 伸二谷 茂五ノ井 淳北島 明
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2008 年 18 巻 2 号 p. 94-110

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抄録
ため池 (堤高H<15 m) では, 貯水池や流入河川の規模が小さく堆積する底泥土の粒度変化が少なく, 底泥土を固化処理して築堤土として利用する場合の強度管理には含水比のみの影響を考慮するだけでよかった。一方, フィルダム (H≥15 m) では, 貯水池や流入河川の規模が大きく砂礫分が流れ込みやすく, 底泥土の粒度変化が大きいため, 底泥土の固化処理時の強度管理には含水比だけでなく粒度の影響も考慮する必要がある。筆者らはこれまでにフィルダムの堤体改修に池内に堆積した底泥土を固化処理して築堤土として利用する場合を想定し, 室内試験により底泥土の固化処理強度に及ぼす含水比と粒度の影響を調べ, これらの影響を考慮した強度管理法を提案してきた。本稿は, 実際の池内に堆積した粒度が変化する底泥土を用いた実施工レベルの現場固化・盛土試験を実施して, 提案した強度管理法が十分な適用性を有していることを確認した結果について述べる。
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© 2008 ダム工学会
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