抄録
釜房ダム貯水池のカビ臭発生現象の一つの仮説として,釜房ダム貯水池の上流域に広がる水田からのPhormidium tenueを含む藍藻綱ユレモ目もしくは2-MIBの直接供給が考えられた。このことから,本研究では釜房ダム上流域の水田,下流水路,流入河川および貯砂ダムにおいてPhormidium tenue等藍藻類のバイオマスおよび2-MIB濃度を調査し,ダム上流域が貯水池でのカビ臭現象に及ぼす影響を評価した。その結果,Phormidium tenue等藍藻類もしくは2-MIBは,水田から貯水池に流下する過程で段階的に希釈され,貯水池への影響はきわめて低いことが示された。