2019 年 29 巻 3 号 p. 181-190
本研究では阿木川ダム(独立行政法人水資源機構・岐阜県恵那市)における地震記録にNIOM法を適用して,堤体内の地震波伝播速度を検討した。その結果,地震計間の平均的なS波速度は,(1) コアゾーン上部で420~450m/s,下部で520~540m/s,(2) 上流側ロックゾーンでは480~500m/sと推定され,水平2成分間の偏向異方性がみられること,一方,(3) 下流側ロックゾーンでは580m/s程度で比較的大きい値を示し,偏向異方性も認められないこと,(4) 推定されたP波速度とS波速度の分布は1999年に実施されたPS検層結果と整合することなどを示した。