2025 年 35 巻 2 号 p. 197-207
大規模地震時に広範囲に点在するダムが被害を受けた際,ダムの被災状況を効率的に把握することを目的に,地震時にダムで取得される地震動データを基に,Autoencoderを用いたダムの異常を検知する手法の確立に向けた基礎的な研究を行った。具体的には,過去に大規模地震を受けて,一時的に水平方向の一次固有振動数が低下した型式の異なるダム2基の地震動データを対象に,Autoencoderを用いた異常検知を行い,精度の評価と誤判定要因の分析を行った。さらに,これらの検討結果を踏まえ,実用化に向けた課題と方向性について論じた。