既往のゲート式取水設備は, 開閉機器が大規模となり, かつ複雑で, 頻繁な操作と維持補修を必要とし, ダム管理を煩雑にする一因となっている。そこで, 経済性の追求と維持管理の負担減という観点から取水構造についての研究を行い, 今回, ゲートに代わって圧縮空気を給・排気することにより取水する方法を採用し, “空気ロック式ゲートレス取水設備” として開発した。当設備は羽地ダムにおいて平成13年3月に完成したが, 本稿では既往実績, 空気ロック理論, 基本構造の改善, 安全設計等の研究成果について報告する。