ダム工学
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間隙水圧計長期性能試験による振動弦型計器の現地適用性検討
川崎 秀明長原 寛山下 武宣安仁屋 勉
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2004 年 14 巻 1 号 p. 39-48

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抄録
振動弦型計器は, 応力やひずみなどの物理量を周波数信号に変換して測定する方式であり, 遠隔測定の手段として電気的な変換法を採用しているが, 電気抵抗の変化とは無関係であるため, 絶縁不良等による影響が小さく, 経年変化, 耐湿性に優れ土木用の計器として長期に信頼性の高いデータ収集の可能性が高いと考えられる方式である. しかし, わが国ではすでに他形式の計器が普及しており, 振動弦型の計器がそれらの計器の利便性や経済性を追い越すだけの優位性を有していなかったこと等から普及しなかった. 近年, 簡便に扱えるようになったことや, 安価になったことから, 振動弦型計器に対する期待が増している. 本研究では, 長期計測の必要のあるダムへの本格的な適用を目的として, 実際にフィルダムにおいて従来型の計器に振動弦型計器を併設し, 2年半にわたって試験湛水時の間隙水圧計測を行う現地性能試験を実施し, 長期信頼性評価のための基礎実験を行った. その結果, 従来から使用されている土木用観測計器と同等以上の長期信頼性があることを確認した.
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© 一般社団法人ダム工学会
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