1996 年 6 巻 23 号 p. 5-15
高圧ゲートからトンネル内に放流を行うと, ゲート下流のトンネル内圧力が空気連行現象により低下し不安定な振動やキャビテーションにより, ゲートに悪影響を及ぼすおそれが生じる。これを防止するためにはトンネル内に連行される空気量に見合った給気を行うことが必要となるが, この現象に関する研究例は少なく, その発生機構についてはいまだ十分に解明されていないのが現状である。本研究はこの給気量を算定するために, 水資源開発公団阿木川ダムでの実機放流試験および二次元模型実験の結果を基にこの現象の発生機構を明確にし, 給気量を定量的に把握し得る数値シミュレーション手法を検討したものである。