抄録
岩盤中に存在する節理等の不連続面から成る空隙にグラウトミルクを注入し充填する, いわゆるグラウチングにおけるグラウト充填メカニズムに関しては, 未だに解明されていない点が多いのが現状である。本論文では, 実際の施工現場におけるグラウチング用設備を用いて, ボーリング孔を模擬した透明アクリルパイプに不連続面を模擬した透明フッ素樹脂チューブを接続し製作した透明管供試体にグラウトを注入し, グラウト充填メカニズムに関する検討を試みた。その結果, グラウチングにおいて機械的に制御可能なグラウト注入圧力・注入速度・グラウト配合に関し, これまでおもに経験的にしか捉えられていなかった数値について, 適正値や限界的数値の存在を見出した。さらにグラウト充填メカニズムに関するモデルを提案し, 定式化を試みた。