日本歯科理工学会誌
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原著
合着用セメントの種類と支台築造材の表面粗さが補綴装置の合着力に及ぼす影響 -支台築造材と金銀パラジウム合金のせん断接着強さ-
松本 倫彦武本 真治小田 豊
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2011 年 30 巻 1 号 p. 47-55

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抄録

本研究は,支台築造用コア材(メタルコアおよびレジンコア)に対して金銀パラジウム合金製補綴物が合着されることを想定し,支台築造用コア材の表面粗さが合着力に及ぼす影響について2種類の合着用セメントを用いて検討した.レジン添加型グラスアイオノマーセメントで合着した場合,メタルコアおよびレジンコアのいずれにおいても表面粗さの大きい場合に接着強さが大きくなる傾向を示した.一方で,MMA系接着性レジンセメントで合着した場合,コア材の表面粗さによる接着強さへの影響は認められなかったが,メタルコアに合着した方がレジンコアに合着した場合より大きな接着強さを示した.したがって,支台築造用コア材の表面粗さが合着力に及ぼす影響は,合着用セメントの種類によって異なり,レジン添加型グラスアイオノマーセメントで合着する場合は,表面粗さの大きいコア材で合着力が大きくなることが明らかになった.

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© 2011 一般社団法人 日本歯科理工学会
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