日本歯科理工学会誌
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原著
試作カルボキシレート系仮着用セメントの性質に及ぼすS-PRGフィラーの効果
長沢 悠子日比野 靖松本 賢一中嶌 裕
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2011 年 30 巻 1 号 p. 56-62

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抄録

S-PRGフィラー(2,4,6,8および10%)[MP10;MP11;MP12:MP13 and MP14]の配合量が異なる5種類の粉末を使用した試作仮着用セメントの硬化時間,圧縮強さおよびインプラントアバットメントに鋳造冠をセメント保持させた際の保持力を調べた.測定はセメント練和開始から1日,1週間,4週間後に行った.その結果,MP10は硬化時間が有意に長くなった(p<0.05).しかしながら,MP13, MP14では硬化時間に有意差は認められなかった(p>0.05).圧縮強さは,すべての期間においてMP10はMP12, MP13, MP14よりも有意に大きい値となった(p<0.05).保持力は1週間,4週間後に各セメント間で有意差は認められなかった(p>0.05).S-PRGフィラーの配合量はセメント硬化時間,圧縮強さに影響を与えるものの,保持力に与える影響は少なかった.

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© 2011 一般社団法人 日本歯科理工学会
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