抄録
本研究は,審美性に優れたオールセラミック・ブリッジに応用するジルコニアセラミックス(Y-TZP)の接着強さに及ぼす歯冠用レジンはEstenia C&B (ES), Epricord (EP), Gradia (GR)と表面処理は#600研磨処理(#600SiC),Rocatecブラスト処理(Rocatec)の影響を明らかにした.ジルコニアセラミックスの圧縮せん断接着強さは歯冠用レジンと表面処理方法に有意差が認められ(p<0.01),交互作用効果は認められなかった.接着強さの最大値はGRとRocatecで11.95MPa,最小値はEPと#600で7.70MPaであった.以上の結果から,ジルコニアセラミックスに対する圧縮せん断接強さは歯冠用レジン(GR)とRocatec処理により接着強さの向上が認められた.