日本歯科理工学会誌
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総説
チタン鋳造冠の臨床的必要性と保険収載
竹内 義真米山 隆之小泉 寛恭河合 達志
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2021 年 40 巻 1 号 p. 41-45

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抄録

CAD/CAMによる間接修復用コンポジットレジン冠の適応が大臼歯まで拡大されているが,特に歯科用金属アレルギー患者における第二大臼歯への適応では歯冠高径が十分に得られない症例が多く,脱離,破損の懸念がある.このような症例における代替技術として,日本歯科理工学会では,高い機械的性質と耐食性を有し,生体安全性に優れたチタンおよびチタン合金の鋳造法による歯冠修復物について検討し,日本補綴歯科学会とともに医療技術評価提案書を申請した結果,大臼歯における純チタン第2種の全部鋳造冠が令和2年6月に保険収載された.また,チタンの歯科鋳造には特殊な鋳造機や専用の埋没材を用いる必要があることから,新技術として承認された.また,健康保険適用の金属材料として広く用いられてきた金銀パラジウム合金の価格は高騰を続けており,その代替材料としても期待される.

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© 2021 一般社団法人 日本歯科理工学会
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