2021 年 40 巻 2 号 p. 153-156
新しい金属材料の加工法としてAdditive Manufacturing(付加製造法,AM)が注目を集めている.この方法は従来の加工法の概念である,大きな素材から小さな部品を得る引き算的加工(subtractive manufacturing)とは異なり,下方から上方へ要素を積み上げて部材を得る足し算的発想に基づいている.必要な部分のみを選択溶融するために材料の歩留りがよく,鋳造法や切削加工法では困難なデザインを実現できる点に特徴がある.著者らは,これまで低磁性Zr‒1Mo合金のレーザー積層造形を行い,その組織と機械的特性を評価してきた.本稿では,AM技術の概要と造形パラメータと気孔形成機構の関係について紹介する.