本研究では万能試験機を用いて,歯科用αおよびβ半水石膏の硬化膨張圧発現の様相と,両石膏の混水比,水温,練和時間ならびにα半水石膏の種類が最大硬化膨張圧に及ぼす影響を検討した.硬化膨張圧は練和後しばらく変化がなく,次に収縮が発現してから膨張に転じて徐々に増大し,およそ80~120分後に最大硬化膨張圧を示すプラトーに達した.さらに,膨張圧が増大している期間中にαおよびβ半水石膏ともに,階段状の微小な圧力変化が確認できた.また,両石膏ともに,混水比が大きくなるほど最大硬化膨張圧は低くなったが,水温及び練和時間の影響は見られなかった.α半水石膏の種類は最大硬化膨張圧に大きく影響し,硬化膨張抑制のための調整剤により膨張圧は低くなることが示唆された.以上,本測定法は,石膏硬化時の階段状の微小圧力変化を伴う硬化膨張圧を検知可能で,半水石膏の水和反応に伴う硬化現象の研究手法として,新規の有力な方法となることが示唆された.