【目的】嚥下評価と栄養管理という観点における脳卒中地域連携の現状を明らかにする.
【対象と方法】都市部二次医療圏において,脳卒中急性期治療および回復期リハビリテーション(以下,リハビリ)を担う17 施設に対し,嚥下障害患者の食事,評価とリハビリに関する調査を行った.有効回答を得た施設は,急性期治療または急性期治療から回復期リハビリまでを担う「急性期型施設」と回復期リハビリのみを担う「回復期型施設」の2 群に分類し,両群間で比較検討した.
【結果】有効回答を13 施設(76%)から得た.全施設が多種類(中央値;5 種類[範囲; 2~7 種類])の嚥下食を使用していた.「急性期型施設」は「回復期型施設」と比較して,「きざみとろみ食」や「大きざみとろみ食」を利用する割合が低く(きざみとろみ食43% 対100%,p=0.011;大きざみとろみ食14% 対67%,p=0.047),既製品を利用する割合が高かった(100%対33%,p=0.004).嚥下評価を医師,言語聴覚士,看護師の3 職種すべてが行っていたのは38%の施設であり,23%の施設では医師は行っていなかった.嚥下評価の方法は,「改訂水飲みテスト(100%)」「反復唾液嚥下テスト(92%)」「頸部聴診(85%)」「嚥下造影検査(85%)」の順に多かった.嚥下リハビリは,言語聴覚士(100%)と看護師(77%)が「言語療法の時間枠(100%)」「毎日の食事時間(92%)」に行うことが多かった.摂食指導は,「退院時に口頭で説明する」ことが多かった(77%).
【結論】当該地域の嚥下評価と栄養管理という観点における現状が明らかになった.あらゆる医療従事者が嚥下評価と栄養管理に対する意識を高め,施設をこえて情報交換を密に行うことにより,地域連携はより推進されるであろう.