2013 年 17 巻 1 号 p. 45-51
食品による窒息事故のために三次救急病院に搬送された107 例を,死亡例62 例(57.9%)と生存例45 例(42.1%)に分けて,生命予後の観点から両群を比較した.その結果,年齢,性別,併存症の数,事故発生前の運動障害の有無,喫煙・飲酒の習慣,食事内容,食事形態,食事の自立度などの背景因子については,両群に差はなかった.そのため,現場で事故発生に気づく観察力と,現場での救急処置が重要と思われた.そして,食品による窒息事故の低減には,現場での観察力の強化や救急対応の啓発・普及活動のほかに,症例の集積とデータベース化が必要であると考えられた.