2024 年 28 巻 1 号 p. 29-36
【目的】地域医療支援病院に勤務する摂食嚥下障害看護認定看護師(CNDN)が,摂食嚥下障害を有する誤嚥性肺炎患者の再発予防として実践している看護の特徴を明らかにする.
【方法】地域医療支援病院に勤めるCNDN 6 名に半構造化面接を行い,質的帰納的に分析した.
【結果】研究協力者の語りより,37 サブカテゴリ,8 カテゴリを抽出した.誤嚥性肺炎の再発予防のための看護実践として《誤嚥性肺炎再発による特徴的症状を観察し,アセスメントと看護計画を繰り返し思案する》《対象者の背景や対話から実現可能範囲を判断し,食事介助や訓練方法,誤嚥性肺炎再発予防策を説明する》《全身状態悪化の悪循環をアセスメントし,対象者の思いを尊重する看護を模索しながら支援する》《病棟・病院・地域ごとの誤嚥性肺炎患者とリスク患者を抽出する方法を工夫しながら実践する》《病院内の誤嚥性肺炎の困難事例に対応するため,コンサルテーションを受ける体制を整える》《臨床での摂食嚥下障害看護実践力向上を目指し,最も患者と家族の近くで関わる病棟看護師を教育する》《患者の経時的変化に応じた看護実践継続のために可視化する》《院内外の多職種間で,お互いの専門性が継続的に発揮できる環境を調整する》ことをしていた.
また,8 カテゴリは,3 つのコアカテゴリとなった.
【結論】地域医療支援病院で勤務するCNDN が,摂食嚥下障害を有する誤嚥性肺炎患者の再発予防のために実践する看護の特徴として,【専門的知識と技術を用い個別性と向き合う看護実践】,【組織に着目した看護サービスのマネジメントとしての看護実践】, 【摂食嚥下障害看護の継続に向けた看護実践】の3 つのコアカテゴリが明らかになった.